| 第1回 | 海 | 第2回 | 岩 | 第3回 | 風 | 第4回 | 雨 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第5回 | 地球 | 第6回 | 獏 | 第7回 | 焔 | 第8回 | 鎖 |
| 第9回 | 闘 | 第10回 | 鬼 | 第11回 | 面 | 第12回 | 悪 |
| 第13回 | 数 | 第14回 | 憎 | 第15回 | 兄弟 | 第16回 | 骨 |
| 第17回 | 青 | 第18回 | 飛 | 第19回 | 指 | 第20回 | 輪 |
| 第21回 | 五 | 第22回 | 進 | 第23回 | 祝 | 第24回 | 角 |
| 第25回 | 羽 | 第26回 | 貧 | 第27回 | 洋 | 第28回 | 雀 |
| 第29回 | 父 | 第30回 | 肩 | 第31回 | 円 | 第32回 | 満 |
| 第33回 | 馬 | 第34回 | 白 | 第35回 | 黒 | 第36回 | 赤 |
★3月31日投句まで
残る鴨赤の他人に見えぬなり 匙太
★赤もなかなか難しい題である。赤いも のを赤くと言っても飛躍がない。そうかと言って、赤でもないものを赤と言い切るのも説得力に欠ける。慣用句「赤の他人」を実際の人に被せたのでも詰らな い。この句のよさは残り鴨を、赤の他人に思えないと叙実することで、一気に風景が拡大されていく。すなわち、冬の間の慣れ親しんだ鴨と作者の空間や時間が 物語的に浮び上がってくる。一編の小説が成り立ちそうだ。(喜代子)
卒業をまず赤飯で祝ひけり 岩田 勇
★歳時記の卒業は小学校から大学まで、学業 の修了を示す事であるが世間的には定年退職まで卒業したと表現するほど、生活に馴染みある言葉である。掲句、身近な卒業をまず赤飯で、としたところに図ら ずも家風までがにじみ出ている。家族の絆が薄れたといわれる時代に、この句は、まず赤飯を炊ける人がをり、と追いはじめたら限がない。奇を衒うわけでもな く、暮らしの原点にたった温かいまなざしが、祝いの伝統を詠いとどめたことである。(平林恵子)
